鳩の巣を一度作られてしまった場所は、その後も繰り返し被害に遭う可能性が非常に高いという事実をご存知でしょうか。その理由は、鳩が持つ驚くべき「帰巣本能」と「執着心」にあります。鳩は、自分が生まれた場所や、一度でも安全な繁殖場所だと認識した土地に対して、非常に強い愛着を示します。たとえ巣を撤去したとしても、その場所の記憶は鳩の中に残り続け、「あの安全だった場所へ戻ろう」と何度も試みるのです。これは、巣を撤去したからといって安心できないことを意味します。むしろ、本当の戦いはここから始まると言っても過言ではありません。一度巣を撤去した後は、鳩が二度と侵入できないようにするための、より根本的で物理的な対策が不可欠となります。最も効果的なのは、やはり防鳥ネットでベランダや軒下全体を物理的に封鎖することです。これにより、鳩は侵入経路を完全に断たれ、巣作りを諦めざるを得なくなります。ネットの設置が難しい場合は、鳩がとまっていた手すりや巣があった場所に、剣山状の忌避具を隙間なく設置するのも有効です。鳩が足をつける場所を徹底的になくすことで、その場所への執着を断ち切るのです。忌避剤や光り物といった対策は、残念ながら執着心の強い鳩に対しては一時的な効果しか見込めないことが多いです。彼らは危険を冒してでも、元の場所に戻ろうとするからです。鳩の執着心は、私たちが想像する以上です。一度でも巣を作られた経験があるのなら、「もう来ないだろう」という油断は禁物です。継続的かつ物理的な防御策を講じることこそが、鳩との長い戦いに終止符を打つための唯一の方法なのです。