一度鳩に住み着かれてしまうと、その駆除には多大な労力と費用がかかります。だからこそ、最も効果的で賢明な対策は、そもそも鳩を家に寄せ付けない「予防」にあります。鳩が寄り付きにくい環境を日々の生活の中で意識的に作ることで、深刻な被害を未然に防ぐことが可能です。鳩がベランダを訪れる最初の目的は、安全な休憩場所の確保です。特に、エアコンの室外機や給湯器の裏、物置と壁の隙間といった、狭くて雨風をしのげる場所は、鳩にとって非常に魅力的な空間です。こうした場所に鳩が入り込めないように、普段から物を置きすぎず、整理整頓を心がけることが予防の第一歩となります。室外機の上や裏に物を置かない、ベランダに置く不用品は早めに処分するなど、鳩が隠れられるようなデッドスペースをなくすだけで、彼らにとっての魅力は半減します。また、鳩は非常にきれい好きで、自分のフンがある場所を安全な場所と認識し、繰り返し訪れる習性があります。もしベランダにフンをされてしまったら、放置せずにできるだけ早く掃除することが重要です。フンが残っていると、それがマーキングとなり、他の鳩まで呼び寄せてしまう原因にもなりかねません。掃除をする際は、感染症予防のために必ずマスクと手袋を着用し、フンを水で湿らせてから拭き取るようにしましょう。そして、意外と見落としがちなのが「餌付け」の問題です。もちろん、意図的にベランダで鳩に餌を与える行為は論外ですが、家庭菜園の野菜や、ペットの餌の食べ残し、あるいは生ゴミなども、鳩にとっては餌になり得ます。ベランダにゴミを放置しない、ペットの餌は室内で与えるなど、鳩に餌場だと認識させないための配慮が必要です。さらに、鳩がベランダに頻繁に立ち寄るようになった初期の段階で、対策を講じることも大切です。手すりにテグス(釣り糸)を数本、高さを変えて張るだけでも、鳩は羽に当たるのを嫌がって止まりにくくなります。これは景観を損ねにくく、比較的安価で試せる有効な初期対策です。こうした日々の小さな心がけの積み重ねが、鳩にとって「この家は居心地が悪い」と思わせることに繋がります。深刻な被害に発展する前に、予防という観点から自宅のベランダを見直してみてはいかがでしょうか。
鳩を寄せ付けない家にする!日々の予防策と心がけ