結婚して念願の一軒家を手に入れたものの、夏が近づくにつれ、どこからともなく現れる小さな虫たちに悩まされるようになりました。特に、夜中にキッチンで遭遇する黒い影にはもうウンザリ。「これはもう、家全体を丸ごと駆除するしかない!」と思い立ち、人生で初めて「バルサン」を使うことを決意しました。正直、一軒家でバルサンを使うのは、想像以上に大変な作業でした。まず、どのタイプを何個買えばいいのか。我が家は部屋数も多く、廊下や階段、押し入れも広い。製品パッケージの適用畳数とにらめっこしながら、家中に行き渡るように計算すると、かなりの個数が必要になることが判明。購入費用も思ったよりかかりました。そして、最大の難関は使用前の準備でした。食器棚の食器を一つ一つ新聞紙で包み、食品庫のストックもビニール袋へ。子供のおもちゃ、衣類、布団…家中にあるものを保護する作業は、まるで引っ越しの荷造りのようでした。特に大変だったのが、火災報知器のカバーです。天井の高い場所にある報知器に、脚立を使ってポリ袋を被せるのは一苦労。全ての準備を終えるのに、半日近くかかってしまいました。いよいよ使用開始。各部屋にバルサンを設置し、説明書通りに作動させ、家族とペットを連れて家を脱出。指定された時間は、近くの公園やショッピングモールで過ごしました。薬剤が家中に充満している間、本当に隅々まで効いているのか、何か問題は起きていないか、正直なところ不安でいっぱいでした。そして、指定時間が過ぎ、恐る恐る家に戻って換気。窓を開けると、薬剤の独特な匂いが漂ってきました。床を見ると、小さな虫の死骸がいくつか落ちているのを確認。「おお、効いてるかも!」と少し感動。しかし、本当の大変さはここからでした。換気後の掃除です。まず掃除機で死骸を吸い取り、その後、床や家具を水拭き。食器類も全て洗い直し…。結局、後片付けにも半日以上を費やしました。効果は確かにあったようで、その後しばらくは虫を見かける頻度が激減しました。しかし、準備と後片付けの大変さを考えると、頻繁にはできないな、というのが正直な感想です。一軒家でのバルサン使用は、効果は期待できるものの、相応の覚悟と労力が必要だと身をもって学びました。
広々一軒家バルサン初挑戦で学んだこと