家の軒下や庭木、あるいはベランダの隅などでスズメバチの巣を発見した場合、決して慌てて刺激してはいけません。スズメバチは非常に攻撃性が高く、特に巣に近づくものに対しては集団で襲いかかってくる危険性があります。刺されると激しい痛みや腫れだけでなく、アナフィラキシーショックという命に関わる重篤なアレルギー反応を引き起こす可能性もあるため、最大限の注意が必要です。まず、巣を見つけたら、静かにその場を離れ、巣から最低でも10メートル以上は距離を取りましょう。大声を出したり、急な動きをしたりすると蜂を刺激してしまうため、落ち着いて行動することが肝心です。子供やペットがいる場合は、絶対に巣に近づかないように厳重に注意喚起し、安全な場所に避難させてください。次に、巣の大きさや場所、蜂の種類(可能であれば)などを確認します。初期の巣であれば女王蜂一匹だけで作っている場合もありますが、夏から秋にかけては働き蜂が増え、巣も急速に大きくなります。巣が大きくなればなるほど、危険度も増していきます。自分で駆除しようと考えるのは非常に危険です。市販の殺虫スプレーもありますが、スズメバチには効果が薄い場合が多く、反撃を受けて刺されるリスクが極めて高いです。特に、巣が大きい場合や、高所、閉鎖空間など作業が困難な場所にある場合は、絶対に手を出してはいけません。安全を確保したら、速やかに専門の駆除業者または自治体の担当部署(役所の環境課など)に連絡し、相談することが最も適切な対処法です。専門家は適切な防護服や専用の機材、薬剤を用いて安全かつ確実に駆除を行ってくれます。費用はかかりますが、自身の命や家族の安全を守るためには必要な投資と考えるべきでしょう。巣を発見したら、近寄らず、刺激せず、専門家に相談する。これが鉄則です。
スズメバチの巣発見時の正しい対処法