私自身、気管支喘息とアレルギー性鼻炎を持っているため、バルサンなどの燻煙・燻蒸タイプの殺虫剤を使用することには、正直かなりの抵抗感があります。それでも、家の中に潜む害虫、特にアレルギーの原因にもなるダニなどを一掃したいという気持ちもあり、使用を検討する際には毎回、人一倍慎重になります。アレルギー体質の人がバルサンを使用する場合、まず第一に考えるべきは、その薬剤成分が自身の症状を悪化させるリスクがないかということです。殺虫成分自体にアレルギー反応を起こす可能性もゼロではありませんし、薬剤の粒子を吸い込むことで、気道が刺激されて喘息発作を誘発したり、鼻炎症状が悪化したりすることも考えられます。可能であれば、使用前にかかりつけの医師に相談し、使用しても問題ないか、注意すべき点はないかを確認するのが最も安心です。医師から特別な指示がなくても、自己判断で使用する場合は、通常以上に厳重な対策が必要です。まず、事前準備の段階で、寝具や衣類、布製のソファなど、肌に触れるものや吸い込みやすいものは、できるだけビニールで覆うか、部屋の外に出しておきたいところです。そして、使用中および使用後の換気時間は、規定よりも長めに設定します。薬剤の粒子が空気中に残存している時間をできるだけ短くするためです。私は、最低でも半日程度は家を空けるようにしています。帰宅後、部屋に入る際も、まずは窓を大きく開けてさらに換気を行い、十分に空気が入れ替わってから入室するようにしています。マスクの着用も必須です。そして、掃除です。アレルゲンとなるダニの死骸やフン、そして残留した薬剤を除去するために、掃除機がけと水拭きを徹底的に行います。特に、床や寝具周りは念入りに掃除します。空気清浄機もフル稼働させます。正直なところ、ここまでやっても、使用後数日間はなんとなく喉や鼻に違和感を覚えることもあります。そのため、最近では、薬剤が飛散しないベイト剤(毒餌)や、ダニ対策に特化したスプレー、加熱によるダニ駆除(布団乾燥機など)といった代替手段を優先的に検討することが多くなりました。バルサンは効果的な手段ですが、アレルギー体質の場合は、そのリスクとベネフィットを十分に比較検討し、使用するならば最大限の注意を払う必要があると、私は考えています。
アレルギー体質の人がバルサン使用前に考えるべきこと