まさか我が家のベランダに蜂の巣ができるなんて、夢にも思っていませんでした。ある日の午後、洗濯物を取り込もうとした時、室外機の裏側に妙なものがあるのに気づいたのです。恐る恐る覗き込むと、それは紛れもなく蜂の巣でした。大きさはまだピンポン玉くらいで、蜂の数も数匹しか見えません。「これくらいなら自分で駆除できるかも」と、私は甘い考えを抱いてしまいました。インターネットで「蜂の巣 駆除 小さい」と検索し、夜間に殺虫スプレーで駆除する方法を見つけました。必要なものは、蜂用の強力な殺虫スプレー、厚手の長袖長ズボン、帽子、手袋、そして勇気。日が完全に暮れ、蜂がおとなしくなる時間帯を待ちました。心臓はバクバクと鳴り、手に汗が滲みます。懐中電灯で巣を照らし、深呼吸一つ。そして、一気にスプレーを噴射しました。数匹の蜂がボトボトと落ち、巣にも薬剤がかかったのを確認。これで終わりだ、と安堵したのも束の間、巣から離れた場所にいたらしい蜂が数匹、羽音を立てて向かってきたのです。パニックになった私は、慌ててスプレーを乱射しながら室内に逃げ込みました。幸い刺されることはありませんでしたが、あの時の恐怖は忘れられません。結局、翌日、改めて専門業者に連絡し、残った巣と蜂を完全に駆除してもらいました。業者の方からは「小さい巣でも油断は禁物です。特にアシナガバチは攻撃性が高いですから」と注意を受けました。今回の経験で、小さな蜂の巣の駆除であっても、素人が安易に手を出すべきではないと痛感しました。安全を最優先するなら、プロに任せるのが一番だと学びました。