あれは蒸し暑い夏の夜のことでした。寝る前にキッチンで水を一杯飲もうと電気をつけた瞬間、シンクの隅をササッと横切る小さな黒い影が目に入りました。一瞬、ゴミかと思いましたが、その動きは明らかに虫。しかも、あの忌まわしいゴキブリによく似た形をしています。しかし、サイズは1センチにも満たないほど小さい。「まさか、ゴキブリの赤ちゃん?」そう思った途端、全身に鳥肌が立ちました。成虫でさえ見るのも嫌なのに、その幼虫がいるということは、この家のどこかで繁殖しているかもしれない。そう考えると、いてもたってもいられなくなりました。その夜は、家中がゴキブリだらけに思えて、ろくに眠れませんでした。翌日、私は意を決して対策に乗り出すことにしました。まずは情報収集と思い、「ゴキブリ 幼虫」とインターネットで検索。すると、幼虫を1匹見つけたら数十匹はいると考えた方がいい、という恐ろしい情報ばかり。さらに、幼虫は狭い隙間に潜むのが得意で、駆除が難しいとも書かれていました。もう素人では手に負えないかもしれない。そう感じた私は、すぐに害虫駆除の専門業者に連絡を取りました。電話口で状況を説明すると、担当者の方は冷静に、しかし親身になって話を聞いてくれ、翌日に調査に来てくれることになりました。調査当日、業者の方は専用の機材を使って、キッチンを中心に家中をくまなくチェック。すると、やはりシンク下の配管周りや冷蔵庫の裏などに、複数の幼虫と、さらには卵(卵鞘)まで発見されたのです。ショックでしたが、プロの目で見つけてもらえたことに少し安堵もしました。駆除作業は、ベイト剤(毒餌)の設置と、潜伏場所に薬剤を的確に処理する方法で行われました。作業時間は2時間ほど。費用は決して安くはありませんでしたが、あの恐怖から解放されるなら惜しくはありませんでした。作業後、業者の方からは再発防止のためのアドバイスもいただきました。それ以来、キッチンの清掃を徹底し、水気をこまめに拭き取り、侵入経路になりそうな隙間も塞ぎました。幸い、今のところあの黒い影を見ることはありません。あの時の恐怖体験は忘れられませんが、同時に早期にプロに頼ることの重要性を痛感した出来事でした。
恐怖ゴキブリの赤ちゃん発見から駆除まで