バルサンを使う前に必ず確認すべきこと
バルサンなどの燻煙・燻蒸タイプの殺虫剤は、部屋の隅々まで殺虫成分を行き渡らせ、隠れた害虫を一網打尽にする効果が期待できる非常に便利なアイテムです。しかし、その効果の高さゆえに、使用方法を誤ると予期せぬトラブルを引き起こす可能性もあります。使用前には必ず取扱説明書を熟読し、記載されている注意事項を厳守することが何よりも重要です。まず、最も注意すべき点の一つが、火災報知器やガス警報器への対応です。燻煙・燻蒸剤の煙や霧に反応して警報器が作動してしまうケースが非常に多く報告されています。使用前には、必ず警報器をポリ袋などで覆い、テープでしっかりと目張りをする必要があります。ただし、警報器の種類によってはカバーが禁止されているものもあるため、事前に管理会社やメーカーに確認することが賢明です。次に、薬剤がかかってはいけないものへの保護です。食品や食器、おもちゃ、衣類、寝具、美術品、仏壇、パソコンやテレビなどの精密機器は、薬剤が直接かからないように、ビニールシートや新聞紙で覆うか、部屋の外に移動させる必要があります。特に食品や食器は、薬剤が付着すると健康被害に繋がる恐れがあるため、厳重な管理が求められます。ペットや観賞魚、植物も薬剤の影響を受けるため、使用中は必ず部屋の外へ避難させなければなりません。水槽はエアーポンプを止め、ビニールなどで覆う必要がありますが、可能であれば別の部屋へ移動させるのが最も安全です。これらの事前準備を怠ると、大切なものを汚損したり、健康被害を引き起こしたりする原因となります。バルサンを使用する際は、効果を最大限に引き出し、かつ安全に使用するために、事前の準備を丁寧に行うことが不可欠なのです。