バルサンを使い終わり、規定時間の退出が終わった後、安心して部屋に入るためには適切な換気と掃除が欠かせません。部屋に充満した殺虫成分をしっかりと排出し、薬剤が付着した可能性のある場所を清掃することで、残留成分による健康への影響を防ぐことができます。まず、部屋に入る前に窓を開けて換気を開始します。玄関を開け、対角線上にある窓を開けるなど、空気の通り道を作ると効率的に換気できます。換気扇がある場合は回しましょう。メーカー推奨の換気時間は製品によって異なりますが、少なくとも1時間以上、できれば2~3時間程度はしっかりと換気を行うことが望ましいです。換気中は、まだ薬剤成分が空気中に残っている可能性があるため、長時間室内に留まらないようにしましょう。換気が十分に終わったら、いよいよ掃除の開始です。まず、カバーしていた火災報知器やガス警報器、精密機器、食品、食器などから、丁寧に取り外します。警報器のカバーの外し忘れは絶対にないように、最後に必ず確認してください。次に、床や家具の表面など、人がよく触れる場所を中心に掃除機をかけます。これは、空気中に舞っていた薬剤の粒子や、死んだ害虫の死骸などを取り除くためです。掃除機の排気で粒子をまき散らさないよう、窓を開けたまま行うのが良いでしょう。掃除機がけが終わったら、水拭きを行います。特に、テーブルの上やドアノブ、床など、肌が直接触れる可能性のある場所は念入りに拭きましょう。食器や調理器具は、薬剤が付着している可能性があるため、使用前にもう一度洗うことをお勧めします。寝具や衣類に薬剤がかかった場合は、洗濯するのが最も安全です。特に、小さなお子様やペットがいるご家庭、アレルギー体質の家族がいる場合は、より徹底的な掃除が必要です。壁や天井に近い場所も、薬剤が付着している可能性があるため、可能であれば拭き掃除を行うとより安心です。どこまで掃除するかは、気になる度合いにもよりますが、少なくとも「人が直接触れる場所」「口にするものが触れる場所」は、掃除機がけと水拭きを行うのが基本と考えて良いでしょう。バルサンは効果的な害虫駆除手段ですが、使用後の適切な後処理を行うことで、その効果を安全に享受することができるのです。
バルサン使用後の換気と掃除どこまでする