蜂が家の中に入ってくる原因として、驚くほど多くの人が経験しているのが「洗濯物についていた」というケースです。気持ちよく乾いた洗濯物を取り込んだら、部屋の中で蜂が飛んでいてパニックになった、という話は決して珍しくありません。一日の家事のルーティンが、なぜ蜂を呼び込む危険な行為になってしまうのでしょうか。その背景には、蜂の習性と洗濯物の特徴が密接に関わっています。第一の理由は「色」です。蜂は、紫外線を見ることができる人間とは異なる視覚を持っており、特に白や黄色といった明るい色を花として認識しやすい傾向があります。そのため、太陽の光を浴びて輝く白いシーツやワイシャツは、蜂の目には巨大で魅力的な花のように映り、誘われるようにして寄ってきてしまうのです。第二の理由は「香り」です。特に近年の柔軟剤は、香りを長持ちさせるためにマイクロカプセル技術などが使われ、非常に強い香りを放つ製品が増えています。この甘いフローラル系やフルーティー系の香りは、蜂が蜜を探す本能を直接的に刺激します。色と香りの二重の魅力によって、洗濯物は蜂にとって非常に魅力的な休憩場所となってしまうのです。対策としては、まず洗濯物を取り込む際に、一枚一枚をよく振って、蜂が潜んでいないかを確認する習慣を徹底することが重要です。また、蜂の活動が活発になる夏から秋にかけては、香りの控えめな柔軟剤を選ぶか、使用量を減らすといった配慮も有効でしょう。日々の何気ない家事の中に潜むリスクを理解し、正しく対策することが、安全な暮らしを守ることに繋がります。