私たちのような害虫駆除の専門家が、お客様のお宅で蜘蛛に関するご相談を受ける際、そのお宅にはいくつかの共通した特徴が見られることが少なくありません。もしご自宅で頻繁に蜘蛛を見かけるようであれば、これからお話しする点が当てはまらないか、一度チェックしてみてください。まず最も大きな共通点は、「餌が豊富である」ということです。先ほども述べたように、蜘蛛は他の虫を食べるために家に入ってきます。つまり、ゴキブリやコバエ、ダニ、チャタテムシといった害虫が繁殖しやすい環境は、自動的に蜘蛛を呼び寄せることになります。特に、湿気が多く、掃除が行き届かない場所は要注意です。キッチンのシンク下や洗面所の隅、結露しやすい窓際などは、害虫の温床となりがちです。次に挙げられるのが、「隠れ場所が多い」という点です。蜘蛛は身を隠せる物陰を好みます。長期間動かしていない段ボール箱、家具の裏の埃が溜まったスペース、ごちゃごちゃと物が置かれた納戸などは、彼らにとって絶好の隠れ家兼狩り場となります。家の中を整理整頓し、風通しを良くするだけでも、蜘蛛にとっては居心地の悪い環境になるのです。そして最後が、「侵入経路が多い」ことです。古い家屋の壁のひび割れ、サッシの隙間、換気口のフィルターの劣化など、物理的に侵入しやすい穴や隙間が放置されているケースは非常に多く見受けられます。蜘蛛の出現は、単に不快なだけでなく、家の衛生状態やメンテナンス状況を映し出す鏡のようなもの。蜘蛛を寄せ付けない家づくりは、結果的に人間にとっても快適で健康的な住環境を維持することに繋がるのです。